ポール・ルイス ハイドン・ベートーヴェン・ブラームス プロジェクト

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巨匠への道を歩むピアニスト
ポール・ルイス
ハイドン・ベートーヴェン・ブラームス プロジェクト 2017/2018/2019
HBB project オフィシャル・サイト

公演日程
Vol. 1 :2017年11月29日(水) 19:00 王子ホール

 

ニュース

NEWS

2017.10.12
HBBプロジェクト プレスリリースをアップしました。
2017.10.12
ポール・ルイス ハイドン・ベートーヴェン・ブラームスプロジェクト(HBBプロジェクト)の特設サイトをアップしました。
 

公演情報

CONCERT INFORMATION

王子ホール
HBBプロジェクト Vol.1

HBBプロジェクト 全4公演の概要


[好評発売中]

日時:2017年11月29日(水) 19:00
会場:銀座・王子ホール

全席指定 6,500円

■プログラム:
ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番 ハ長調 作品79

ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
1. ト長調 2.ト短調 3. 変ホ長調 4. ロ短調 5.ト長調 6. 変ホ長調

ブラームス:6つの小品 作品118
1. 間奏曲 イ短調 2. 間奏曲 イ長調 3. バラードト短調
4. 間奏曲 ヘ短調 5. ロマンス ヘ長調 6. 間奏曲 変ホ短調

ハイドン:ピアノ・ソナタ第40番 ト長調 作品37-1

■主催:王子ホール
[チケットのお問合せ]王子ホールチケットセンター 03-3567-9990

■チケットの予約
王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
ローソンチケット 0570-000-407
e+(イープラス)

マーク・パドモア&ポール・ルイス デュオリサイタル 2017


日時:2017年11月22日(水) 19:00
会場:銀座・王子ホール

全席指定 7,000円

■プログラム:
ハイドン:
彼女は決して恋について話さない Hob.XXXIa:34
精霊の歌 Hob. XXXIa:41
おとめへの問の答え「私を忘れないで」Hob.XXXIa:46

モーツァルト:
すみれ KV.476
ラウラに寄せる夕べの思い KV 523

ベートーヴェン:アデライーデ

シューベルト:ヴィオラ

シューマン:詩人の恋

■主催:王子ホール
[チケットのお問合せ]王子ホールチケットセンター 03-3567-9990

■チケットの予約
王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
ローソンチケット 0570-000-407
e+(イープラス)
日時:2017年11月24日(金) 19:00
会場:銀座・王子ホール

全席指定 7,000円

■プログラム:
シューマン:リーダークライス作品24

ブラームス:
春は恋の季節
夏の夕べ
月の光
花は見ている
航海
死は冷たい夜

シューベルト:
月に寄す
海の静けさ
竪琴弾きの歌
孤独を求める者は
涙とともにパンを食べたことがない者は
われ戸口にしのび行かん
御者クローノスに

ヴォルフ:
ねずみをとる男
花のあいさつ
似たもの同士
現象
アナクレオンの墓
コーランが永遠のものならば
みんなで酒を飲も
人はしらふであるかぎり
彼らは酔ったために
今日この酒場では何がいっ

■主催:王子ホール
[チケットのお問合せ]王子ホールチケットセンター 03-3567-9990

■チケットの予約
王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
ローソンチケット 0570-000-407
e+(イープラス)
日時:2017年11月25日(土) 18:00
会場:静岡音楽館AOI

全席指定 4,000円

■プログラム:
ハイドン:
彼女は決して恋について話さない Hob.XXXIa:34
精霊の歌 Hob. XXXIa:41
おとめへの問の答え「私を忘れないで」Hob.XXXIa:46

モーツァルト:
すみれ KV.476
ラウラに寄せる夕べの思い KV 523

ベートーヴェン:アデライーデ

シューベルト:ヴィオラ

シューマン:詩人の恋

■主催:静岡音楽館AOI
[チケットのお問合せ]静岡音楽館AOI・インフォメーション 054-251-2200

■チケットの予約
静岡音楽館AOI・インフォメーション 054-251-2200
静岡リビング新聞社 054-255-1231
チケットぴあ 0570-02-9999
 

ハイドン・ベートーヴェン・ブラームス プロジェクトプログラムの概要

HBBプロジェクト Vol. 1
2017年11月29日(水) 王子ホール


ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番 ハ長調 作品79

ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
1. ト長調 2.ト短調 3. 変ホ長調 4. ロ短調 5.ト長調 6. 変ホ長調

ブラームス:6つの小品 作品118
1. 間奏曲 イ短調 2. 間奏曲 イ長調 3. バラードト短調
4. 間奏曲 ヘ短調 5. ロマンス ヘ長調 6. 間奏曲 変ホ短調

ハイドン:ピアノ・ソナタ第40番 ト長調 作品37-1
HBBプロジェクト Vol. 2
2018年11月 王子ホール


ベートーヴェン:11のバガテル 作品119
1. ト短調 2. ハ長調 3. ニ長調 4. イ長調 5. ハ短調 6. ト長調 7. ハ長調 8. ハ長調 9. イ短調 10. イ長調 11. 変ロ長調

ハイドン:ピアノ・ソナタ第49番 変ホ長調 作品66

ハイドン:ピアノ・ソナタ第32番ロ短調 作品14-6

ブラームス:4つの小品 作品119
1. 間奏曲 ロ短調 2. 間奏曲 ホ短調 3. 間奏曲 ハ長調 4. 狂詩曲 変ホ長調
HBBプロジェクト Vol. 3
2018年11月 王子ホール


ブラームス:7つの幻想曲集 作品116
1. 奇想曲 二短調 2. 間奏曲 イ短調 3. 奇想曲 ト短調 4. 間奏曲 ホ長調 5. 間奏曲 ホ短調 6. 間奏曲 ホ長調 7.奇想曲 二短調

ハイドン: ピアノ・ソナタ第20番 ハ短調 作品30-6

ベートーヴェン: 7つのバガテル 作品33
1. 変ホ長調 2. ハ長調 3. ヘ長調 4. イ長調 5. ハ長調 6. ニ長調 7. 変イ長調

ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番 変ホ長調 作品82
HBBプロジェクト Vol. 4
2019年10月 王子ホール


ハイドン:ピアノ・ソナタ第34番 ホ短調 作品42

ブラームス:3つの間奏曲 作品117
1. 変ホ長調 2. 変ロ短調 3. 嬰ハ短調

ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲 作品120
 

プロフィール

PROFILE

ポール・ルイス

© Jack Liebeck

「ベートーヴェンのソナタに関しては、往年の巨匠たちや現代のピアニストたちが数々の名録音を残しているが、その中から一つだけ全曲録音を推薦するとしたら、ルイス氏の比類ないレコーディングを選ぶだろう」

アンソニー・トマシーニ <ニューヨーク・タイムズ>

 この世代をリードする、国際的に名の知られたピアニストの一人。ロイヤル・フィルハーモニック協会のアーティスト・オブ・ザ・イヤー賞、サウスバンク・ショウのクラシック音楽賞、ディアパソン・ドール賞、2年連続のエディソン賞(オランダ)、第25回キジアーナ音楽院国際賞(イタリア)、ドイツ・シャルプラッテン賞、ライムライト賞(オーストラリア)、そして2008年のレコード・オヴ・ザ・イヤーを含む3つのグラモフォン賞ほか数々の賞を受賞。また2009年にはサウサンプトン大学より名誉博士号を授与されている。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲、ピアノ協奏曲全曲およびディアベリ変奏曲を取り上げた演奏会シリーズとハルモニア・ムンディによる録音は世界中から称賛されており、その集大成として、2010年にはBBCプロムスにおいてベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲を一挙演奏した初のピアニストとなった。2016年、大英帝国三等勲爵士CBEを授かる。

 これまでにシュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデ、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ラインガウ音楽祭など各地の音楽祭や名門ホールから招かれ、ロンドンのウィグモア・ホールでは既に50回以上の演奏会を行っている。また、コリン・デイヴィス、ベルナルド・ハイティンク、クリストフ・フォン・ドホナーニ、マーク・エルダー、チャールズ・マッケラス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、ダニエル・ハーディング、アンドリュー・デイヴィス、イジー・ビェロフラーヴェク、アンドリス・ネルソンス、エマニュエル・クリヴィヌ、アルミン・ジョルダンといった世界的な指揮者たちと共演。

 近年の演奏会としては、ロンドン響との欧米ツアー、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ロサンジェルス・フィル、シカゴ響、ロンドン・フィル、フィルハーモニア管、ボストン響、バイエルン放送響、オスロ・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、チューリッヒ・トーンハレ管との共演、マーラー室内管とのスペイン・ツアー、オーストラリア室内管とのアメリカ・ツアーなどがあり、ソロではロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ベルリン・フィルハーモニー、ウィーン・コンツェルトハウス、東京の王子ホール、トッパンホール、シカゴのオーケストラ・ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、チューリッヒ・トーンハレ、バーデン・バーデンのフェストシュピールハウス、そしてマドリッドのナショナル・オーディトリウムなどに登場している。

 2011年には、シューベルトがその生涯最後の6年間に作曲したピアノ作品全曲演奏を、2年にわたるプロジェクトとしてスタート。この演奏会は、ロンドン、ニューヨーク、シカゴ、東京、メルボルン、ロッテルダム、ボローニャ、フィレンツェ、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデなどの世界の主要会場で行われる。

 チェタム音楽学校にてリスザルド・バクストに、またギルドホール音楽学校にてジョーン・ハヴィルに師事。その後アルフレード・ブレンデルの薫陶を受ける。演奏活動に加え、ノルウェーのチェリストで妻のビョルク・ルイスと共に、イギリスのバッキンガムシャーで毎年開催される室内音楽祭「ミッドサマー・ミュージック」とリーズ国際ピアノコンクールの芸術監督も務めている。

ポール・ルイス関連リンク

オフィシャル・ウェブサイトhttp://www.paullewispiano.co.uk/



■主なCD

シューベルト「ピアノ・ソナタ14番&19番」(2001年 harmonia mundi)
シューベルト「ピアノ・ソナタ20番&21番」(2002年 harmonia munia)
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集 全4巻」(2005年~2008年harmonia mundi)
シューベルト「冬の旅:マーク・パドモア」(2009年 harmonia mundi)
ベートーヴェン「ピアノ協奏曲全5曲 イジー・ビェロフラーヴェク指揮BBC響」 (2010年harmonia mundi)
ベートーヴェン「ディアベリ変奏曲」(2010年 harmonia mundi)
シューベルト「冬の旅:マーク・パドモア」(2009年 harmonia mundi)
シューベルト「美しき水車小屋の娘:マーク・バドモア」(2010年 harmonia mundi)
シューベルト「白鳥の歌:マーク・パドモア」(2011年 harmonia mundi)
シューベルト「ピアノ・ソナタ17番、ピアノ・ソナタ18番 他」(2011年 harmonia mundi)
ムソルグスキー「展覧会の絵」シューマン「幻想曲」(2015年 harmonia mundi)
ブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送響」(2016年 harmonia mundi)
 

チケット情報

TICKET INFORMATION

王子ホール
HBBプロジェクト Vol.1

[好評発売中]

日時:2017年11月29日(水) 19:00
会場:銀座・王子ホール

全席指定 6,500円

■プログラム:
ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番 ハ長調 作品79

ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
1. ト長調 2.ト短調 3. 変ホ長調 4. ロ短調 5.ト長調 6. 変ホ長調

ブラームス:6つの小品 作品118
1. 間奏曲 イ短調 2. 間奏曲 イ長調 3. バラードト短調
4. 間奏曲 ヘ短調 5. ロマンス ヘ長調 6. 間奏曲 変ホ短調

ハイドン:ピアノ・ソナタ第40番 ト長調 作品37-1

■主催:王子ホール
[チケットのお問合せ]王子ホールチケットセンター 03-3567-9990

■チケットの予約
王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
ローソンチケット 0570-000-407
e+(イープラス)
 

メディア

MEDIA



 

エッセイ&インタビュー

ESSAY & INTERVIEW

HBBプロジェクト プレスリリース

HBBプロジェクトに寄せて
〜美しさ、真実、ユーモア〜

翻訳:後藤菜穂子(音楽ジャーナリスト:ロンドン在住)


© Harmonia Mundi Marco Borggreve

 おそらくヨーゼフ・ハイドンほど、音楽の持つ力、すなわち人々を驚かせ、魅了し、また喜びと笑いの涙を誘う力について深く理解していた作曲家はいないのではないだろうか。英国のピアニストのポール・ルイスは、今シーズンから来シーズンにかけてのリサイタル・シリーズでハイドンのピアノ・ソナタの名作を取り上げ、そのウィット、ユーモア、情緒および深遠さを探求する。

   彼は今後Harmonia Mundiレーベルから2枚のハイドン作品のアルバムを出す予定で、1枚目の録音はすでに済んでいる。新しいディスクは2018年のリリース予定で、これまでに数々の賞を受賞したベートーヴェンやシューベルトなどのディスコグラフィーに新しいレパートリーが加わる。

 今シーズンのルイスの世界各地でのリサイタルは、9月〜2月、3月〜6月という2つの時期に分かれており、彼がずっと演奏したいと思っていたハイドンのソナタの世界に没頭できる。この〈ハイドン・ベートーヴェン・ブラームス〉のリサイタル・シリーズは2シーズン続くが、2017/18年の主要な日程としては、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホール(1月23日、6月5日)、エディンバラのクイーンズ・ホール(10月23日、3月19日)、ブリュッセルのフラジェ(10月5日、6月10日)東京の王子ホール(11月29日)、メルボルン・リサイタル・センター(12月4日)が挙げられる。

   そのほかにも、カーネギー・ホールのザンケル・ホール(11月15日)、パリのシャンゼリゼ劇場(1月21日)、レイキャビックのハルパ・コンサートホール(2月4日)、フィラデルフィアのペレルマン・シアター(5月10日)、シューベルティアーデ音楽祭(6月26日)などでもリサイタルを行なう。

 「一人の作曲家の作品に没入すればするほど、その多様性を発見できるのです」とルイスは語る。「今回の一連のプログラムは、ハイドン、ベートーヴェン、ブラームスという3人の作曲家の共通点およびつながりに焦点を当てたものですが、全体として一つの大きな作品のように感じられます。これらのコンサートを終える時には、ベートーヴェンやシューベルトのソナタ・ツィクルスを弾いた時と同じように、まだ始まったばかりなのにもう終わってしまった、と思うことでしょう。こうした偉大な作品のすばらしさは、作曲されて200年もたつのに今なお私たちは新しい面を発見し、またその音楽の人間的な面に共感できるということです。これらの作品は私たちにいろんな形で語りかけてくれますし、私たちが言葉にしづらいさまざまな感情や心理状態を表現してくれるのです。ある意味、それらの作品の美しさはいつまでも失われることはありません。現代のようなすべてが速く、うるさく、極端な時代においては、その美しさはむしろ高まると言えるかもしれません。今日のような混沌とした世の中において、私たちはこうした平穏さと美しさをより必要としているのです」

 ルイスがハイドンの音楽に惹かれた理由の一つは、滑稽さを愛する作曲家だからだと言う。「ハイドンの音楽は私たちを微笑ませてくれるだけではなく、声を出して笑わせてくれます。そのような作曲家は他にはなかなかいません。ベートーヴェンもユーモアは使いますが、彼は人をびっくりさせることで笑わせます。でもハイドンは後ろから忍び寄ってきて脇腹をくすぐるのです!モーツァルトも笑わせてくれますが、彼の場合は、私たちが彼はいったいどうやってこんなすばらしい音楽を作曲したのだろうと驚嘆しているのをどこかから見てにやりと笑っているような印象があります。

   ハイドンはいたずらっぽく私たちを驚かせるのであって、ベートーヴェンのように不機嫌だったり荒っぽかったりすることはありません。ハイドンの音楽には悪意はなく、つねに上機嫌で愛想がよいのです。現代のように極端なことが当たり前な時代においても、ハイドンの聴き手をびっくりさせたりからかったりする手法は斬新に感じられます。本当にすばらしく創意に満ちた音楽であり、このたび演奏および録音できることにわくわくしています」

   その上ハイドンの音楽には悲劇的な面も崇高な面もあり、その旋律書法の簡潔さもルイスにとっては大きな魅力だと話す。「ハイドンの音楽には無駄な音はひとつもありません。ですので、一つ一つの音の色合い、性格、そして意味合いがとても重要なのです。それはとりわけピアノ・ソナタの緩徐楽章において顕著で、彼が少ない音でこれほど深い表現ができるのは本当に驚異的です」

   今回の曲目は、1770年代中頃から1790年代中頃にかけて作曲されたソナタの中なら選ばれ、激情のロ短調のソナタ(Hob XVI/32)からとっぴなハ長調のソナタ(Hob XVI/50)まで多岐にわたっている。

 他方で、ルイスはブラームスに対しては、ハイドンほどすぐには惚れ込めず、ブラームスの音楽を愛するようになるには時間がかかったと語る。「音楽家でブラームスが苦手という人は私だけではないと思います。私は長いこと、ブラームスにおいては表現がその作曲技巧に閉じ込められており、彼の音楽は技巧がすべてだと思っていました。しかし私も40代になり、そのパラドックスがむしろ愛おしく思えるようになってきたのです」

   こうして次第にロマン主義的な極端さと精確な作曲技法を合わせ持ち、また抑えきれない表現と洗練された技巧という、相反する特色をもったブラームスの音楽に魅了されるようになったと言う。「ハイドンと同じく、ブラームスもたった一音で多くのことを表現することができます。ピアノ協奏曲第1番の冒頭の最初の低いD音について考えてみてください−−これはシューマンがライン川に投身自殺をした直後に書かれた作品なのです。またブラームスについても、ハイドン同様、書法の簡潔さが特色として挙げられると思います。とりわけ、彼の後期の作品−−間奏曲、幻想曲や作品118や119の小品集—の主題にはさまざまな思いが込められていると思います」

 最後にルイスは、ベートーヴェンを加えてプログラムを完成させることにした。今シーズンと来シーズンにかけて彼の3つの「バガテル集」を1つずつ取り上げ、さらに2019年の最後のプログラムは《ディアベッリ変奏曲》で締めくくる。「ベートーヴェンのバガテルは、まだハイドンが存命中だった頃に書かれた作品33から、最後のピアノ作品となった作品126まで幅広い時代にわたっています。今回のリサイタル・シリーズの関連でいえば、ベートーヴェンのこれらの作品はそれぞれのプログラムをくっつける「糊」の役割を果たしているといえます。ハイドンの奇抜さ、ユーモア、驚きともつながっていますし、他方で晩年のバガテルは、ブラームスの小品集を先取りしている感があります。そして《ディアベッリ変奏曲》にいたっては、山頂に立って、過去、現在、未来を見渡しているような音楽だといえるでしょう」

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